磁性:磁性薄膜の作製と磁性測定


1. 実験の目的:

科学はシンセシス(ものづくり)とアナリシス(解析)の両輪があってはじめて発展する。この実験では、磁性体を対象として、この両方を学ぶことを目的としている。1つは、「ものづくり」としての「磁性体薄膜(はくまく)の作製」で、実験手法として、「化学」的な手法を用いる。こうして作製した磁性体の磁気および磁気光学特性を測定し解析し、「磁気物性」を理解しようとするものである。

1.1 磁性入門

磁性体のうちで、磁界を加えなくても磁化1)をもつものを(広い意味での)強磁性体という。磁石(正確には永久磁石)は強磁性体の代表である。棒磁石の両端にはN極とS極があって、N極からS極に向かって「磁力線」が流れている。磁石に鉄製のクリップを近づけると、クリップが引き寄せられるが、これは、磁石の作る磁界によってクリップに磁化が誘起され、磁界を取り去った後も磁化が残るからである。

強磁性体においては、外部磁界と磁化の関係は直線的でなく、図1に示すような磁気ヒステリシス曲線2)で表され、磁化の大きさは外部磁界がある値以上になると飽和する。これを飽和磁化状態という。この状態から磁界をゼロにしても、磁化はゼロにならず残留磁化をもつ。磁化をゼロにするには、逆方向にある磁界をかけなければならない。この磁界を保磁力という。

図2に示すように磁性体の保磁力は1[A/m]から106[A/m]まで大きな幅をもつ。保磁力が大きく、減磁曲線の張り出しの大きいものを硬質磁性材料と呼び、永久磁石材料として用いられる。保磁力が10[A/m]以下と極端に小さく、初透磁率が大きな磁性体を軟質磁性材料と呼び、ハードディスクの磁気記録用ヘッド、トランスなど電力機器用磁心に用いられる。保磁力が硬質と軟質の中間的な値のもの(104-105A/m近傍)を半硬質磁性材料と呼び、磁気記録媒体(ハードディスクの記録用ディスク、磁気テープ等)に用いられる。磁気記録では、記録媒体の保磁力より大きい磁界を磁気ヘッドから媒体に与え、ヒステリシス曲線でどちらかの方向に飽和させた後、磁界をなくすことにより、残留磁化を使って記録している。


1.2 実験の概要

    この実験で作製するのは、磁性ガーネット(1.3参照)の薄膜(厚さ約200nm)である3)。この物質はファラデー効果(2.3参照)が大きいことでよく知られている。このことを利用して、磁性ガーネットは光ファイバ通信になくてはならない光部品である光アイソレータの材料4)として利用されている。

    一般に薄膜作製の方法には、表1に示すように、真空中で行う物理堆積法(PVD)、気体を用いる気相化学堆積法(CVD)、融液、溶液を用いる液相法のほか、液体塗布焼結法などがある。この実験では、比較的低温において大面積かつ良質の薄膜を短時間に均一に作製できる液体塗布焼結法の一種である有機金属分解法(MOD=metal organic decomposition)を採用する。

    MOD法では、元素の組成比を調整した有機金属化合物5)を溶媒に溶かした液体を、スピンコート法6)で基板7)上に均一に塗布し、これをホットプレート上で加熱乾燥する。1回の塗布で得られる膜厚は約100nmである。厚い膜を選るには、塗布・乾燥を何度か繰り返す。このようにして塗布乾燥した薄膜は、構成元素が単に混じっただけのもので、化合物になっているわけではない。この膜を(正確には、膜の付着した基板)を電気炉に入れて700°C程度の高温で焼成すると、化学反応と結晶化が進む。

    表1 種々の薄膜作製法

大分類

堆積法

堆積法の詳細

気相

物理堆積法

真空蒸着法

真空中で原料を加熱蒸発して基板に堆積

MBE

超高真空中でKnudsenセルで原料を加熱蒸発、基板に堆積

ICB(クラスタイオンビーム)

真空中でるつぼから原料を噴射、イオン化して基板に堆積

スパッタ法

イオンを原料に加速衝突し、飛び出した原料を基板に堆積

化学堆積法

気相化学輸送法(CVD)

化学反応により固体を気相にし輸送、基板上で反応し堆積

MOCVD(有機金属気相堆積法)

有機金属ガスを基板上で分解、反応させ堆積

プラズマCVD

放電により原料気体をプラズマ分解し、反応し堆積

金属気相化学反応法

金属を堆積し酸化、硫化、セレン化などにより反応し堆積

液相

融液・溶液

LPE(液相エピタキシャル法)

融液や溶液に基板を回転しながら浸漬し堆積

塗布焼結

印刷焼結法

原料を印刷後焼結して結晶化

ゾルゲル法

ゾル状の溶液を基板に塗布乾燥しゲル化後焼結して結晶化

MOD

有機金属溶液を塗布乾燥しゲル化したのち焼結して結晶化

スプレー法

原料を含む溶液を噴霧器で塗布乾燥した後焼結して結晶化

 


1.3 磁性ガーネットについて

本実験では、磁性ガーネットのひとつであるBi, Ga置換イットリウム鉄ガーネットを作製し、その評価を行う。基本になる磁性ガーネットはイットリウム鉄ガーネット(YIGと略称、化学式はY3Fe5O12)とよばれる物質で、結晶構造は立方晶、格子定数は12.376Åで、3に示すような複雑な構造を持っている。Yイオンは酸素の十二面体で囲まれているのに対し、5 つのFeイオンのうち3 個は酸素の四面体で囲まれた格子位置に入り、残りは八面体で囲まれた格子位置に入る。四面体配位のFeと八面体配位のFeは反強磁性的に結合しており、Fe1個分の磁気モーメントが打ち消されないで残り、全体としてフェリ磁性となる。YのサイトにはGd, Tbなど希土類元素を置くことも可能で、希土類鉄ガーネットと呼ばれる。YIGにおいてY(イットリウム)の一部をBi(ビスマス)で置換したビスマス置換イットリウム鉄ガーネットは、Bi置換量に比例して磁気光学効果が1桁以上大きくなることが報告されている。

YIGおよびBi置換YIG薄膜の容易磁化方向は薄膜の面に平行になることが知られている。面に垂直に磁化すると表面に磁極を生じ、反磁界のためにエネルギー的に不安定になるためである。ファラデー効果は、磁化方向と光の進行方向が平行(すなわち、磁化方向が面に垂直)のときに最大になる。Feの一部をGaで置換することによって磁化の大きさを小さくすると、容易磁化方向を膜面に垂直にすることができる。

 

2. 実験方法

2.1 MOD法によるBiGa置換イットリウム鉄ガーネット薄膜の作製

2.1.1 膜づくりの手順の概要

有機金属(metal organic=金属と有機分子の化合物)を溶解したMOD液をスピンコート法によりガラス基板上に塗布し、電気炉で焼成することにより磁性ガーネット薄膜を作製する。実験は、下記の手順で行う。

(1)     ガラス基板の切り出し(ダイヤモンドペンで1cm角に切り出す。)

(2)     基板の洗浄(アセトンで超音波洗浄10)

(3)     MOD 液の塗布(スピンコーター:500rpm5,3000rpm30)

(4)     乾燥(ホットプレート:150,5)

(5)     仮焼成(電気炉:550,5)

(6)     本焼成(電気炉:650,60)

ここで、薄膜の厚さを厚くするために、(3)(5)510回繰り返す。

この実験で用いるMOD溶液は、

Y:Bi:Fe:Ga=2:1:4:1

の組成をもつ有機金属化合物8)を有機溶媒9)に溶かした液体である。

 

2.1.2各装置の操作方法

電気炉 (4)


 炉の電源を入れ、SETボタンを一回押し設定温度を入れてSETをもう一度押すと温度が上がる。このとき設定温度は急に上げるとそれよりも上がりすぎることがあるので、50°C位ずつ上げる。550°Cまで上げておく。本焼成時には650°Cにセットする。

超音波洗浄器 (5)

切り出したガラス基板をビーカーにアセトンとともに入れる。アセトンの量は超音波洗浄機の液面と同じくらいになるようにする。タイマーのつまみを回し、10分洗浄する。洗浄後、ピンセットで基板をはさみ、エタノールを入れたビーカーに入れる。その後、ろ紙の上に取り出して乾かす。

[] 有機金属薬品は、直接吸ったり肌に触れたりすると、体によくない場合があるので、取り扱いは、ドラフトの中で行うとともに、焼成前の試料は手でさわらず、ピンセットを用いること。

 

スピンコーター (6)

サンプルホルダーをエタノールを含ませた紙などで拭く。(この時同じ方向に拭くとほこりがつきにくい)本体の電源(スイッチ1)をONにしてSTARTボタンを押し、

STEP1500rpmrotation per minutes5sec

STEP220004000rpm 30sec(基板により変える)

に設定しSTOPボタンで止める。ポンプのスイッチを入れ、スイッチ2ONにしてホルダーに基板を置く。YIG溶液を滴下しスタートを押す。このとき液に空気が入らないように2滴目から使う。スピンコートが終わったらスイッチ2をOFFにして試料をろ紙に置く。ガラスは表裏がわかるようにノートに絵を書いておく。


6 スピンコーター

 

2.2 振動試料型磁力計(VSM10)

試料を0.10.2mm程度のわずかな振幅と80Hz程度の低周波で振動させ、試料の磁化によって生じる磁束の時間変化を、傍らに置いたサーチコイルに生じる誘導起電力として検出するものである。このときの誘導起電力は試料の磁化に比例するので、磁化を測定することができる。

(図7に、VSM装置の写真を示す。)

2.2.1 操作方法

装置の立ち上げ

1.ブレーカーを上げる。

2.装置に水を流す。(水圧0.5目安)

3.電磁石の電源を入れる。このとき2の水圧が低いと電源が自動で落ちてしまうので注意する

4.電源ランプをONにする。

5.マルチメーター、パソコン、VSM本体の電源を入れる。

2.2.2 測定

1.試料を保護テープでくるみサンプルホルダーに取り付ける。

2.サンプルホルダーをVSM本体に取り付ける。

3.パソコンの画面上で「常温測定M‐H」を選択する。

4.測定条件を入力し測定を開始。

5.測定終了後データをフロッピーディスクに保存する。



 

7  VSM装置

 

2.3ファラデー効果の測定

2.3.1 はじめに

成膜実験で作製した磁性ガーネットは、はじめに述べたように大きなファラデー効果を示すことで知られる。ファラデー効果とは、図8に示すように、直線偏光が磁化された磁性体を透過したときに、磁化の向きと大きさに応じて偏光の向きが回転する現象のことである。ファラデー効果のことを詳しく勉強したい人は、参考書を読んで欲しい11)

磁性ガーネットは大きなファラデー回転角を示すことが知られている。今回の実験では、簡単な実験装置を使って、得られた薄膜がファラデー効果を示すこと、および、ファラデー効果を使って、磁化曲線(ヒステリシス曲線)が測定できることを体験してもらう。図9のスペクトルに示すように、Biを含まないYIG450nm付近で正のファラデー回転ピークをもち、Biを置換すると500nm付近で負のファラデー回転角ピークを示すことが知られている。実験では光源として青色LED (中心波長470nm)を用いる。LEDのスペクトルは380-550nmにわたる広範囲におよぶので、Bi置換磁性ガーネットにおいては、500nm付近の波長成分における大きな負のファラデー回転が観測されるはずである。

 

2.3.2 実験装置

この実験の配置を図11のブロック図に示す。

(1)   試料は、磁極に光導入用の孔がある電磁石の中心部に置かれ、正負の磁界が印加される。

(2)   電磁石に加える電流は、定電流源から供給する。

(3)   光源は、波長470nmInGaN系のLED(発光ダイオード)を用いる。

(4)   偏光子は、グラントムソン偏光子(方解石でできた2つのプリズムを組み合わせた偏光子)を用いる。

(5)  

直線偏光の試料によるファラデー回転を検出するには、差動検出器を用いる。(差動検出の原理は次ページ)。出力電圧はディジタルボルトメータ(この実験ではテスターを使用)で読みとる。

 

2.3.3 実験方法

(1)   光がすべての素子を透過し、検出器に導入されることを確認した後、

(2)   偏光子の方位角を45°に設定し、試料を入れて差動検出器を回転して出力が最小になるよう調整する。

(3)   偏光子を+10°, +5°, 0, -5°,-10°と回転させて出力をグラフに描き、回転角1°に相当する検出器出力を校正せよ。

(4)   電磁石電流を正負に変化しながら検出器出力をテスターで測定し記録せよ。

(5)   換算表を用いて電磁石電流を磁界の強さに変換するとともに、検出器出力を角度に変換せよ。

(6)   磁界と回転角の関係をグラフにプロットしヒステリシスを確認せよ。

 

 

2.3.4 測定の原理

磁気光学効果の大きさの測定法としてよく行われる方法は、図12のように偏光子と検光子の偏光方位角を互いに45°にセットしておき、偏光子と検光子の間に測定したい試料を挿入する方法である。

偏光子から出た光の電界がx方向を向いているとする。従ってE1=Eoiと書ける。(ここにix方向の単位ベクトルを表す。)

試料によりqだけ回転を受けたとするとE2=Eo(cosq i+sinq j)となる。(ここにjy方向の単位ベクトルを表す。)

ここで、x軸から45°傾いたx’軸の電界成分を求めると、座標変換によって、Ex’= Eo(cosq/Ö2 +sinq /Ö2)となる。光強度Ix’Eの二乗に比例するので、Ix’=(E02/2)(1+sin2q)と書ける。qが小さいときは、sin2q2qと置けるのでファラデー回転角に比例する出力成分があることがわかる。

YIG:Biのファラデー回転係数は104deg/cmの程度である。膜厚100nm=10-7m=10-5cmとすると回転角は0.1°の程度なので、radに直すと0.0017となり、Ixの変化は、0.99831.0017と極めてわずかであるため、メータの精度が3桁以上ないと測定が難しい。

そこで、図12に示すように偏光ビームスプリッタによって、x軸から45°傾いたx’軸の電界成分Ixと、-45°傾いたy軸の電界成分Iyに分け、IxIyの出力の差をとると、

DI’=Ix’-Iy’ =(I0/2)(1+sin2q)-(I0/2)(1-sin2q)= I0 sin2q»2I0q

となってファラデー回転角に比例する成分のみが得られ、増幅することによって高感度化を図ることができる。MOディスク、MDの再生にはこの差動方式を採用している。

 



3実験レポートのまとめ方

 

3.1 「もの作り」のまとめ

MOD法での実験手順をまとめる。スピンコーターの回転数、繰り返し回数、焼成の温度・時間など実験条件をきちんと書いておくこと。薄膜作製の各段階での目視による色や透明度の変化なども記述すること。
Bi
置換YIG(Y2BiFe4GaO12)の基礎になっているYIG(Y3Fe5O12)の結晶や磁性について調べよ。

 

3.2 磁気測定のまとめ

(1)VSM測定のまとめ
VSM(
試料振動形磁力計)の原理を理解すること
縦軸・横軸の単位を理解する(縦軸はemuであるが、体積(cm3単位)で割ってをかけるとG [Gauss]になる。10000G=1T、横軸はOe1Oe=79.6A/m、薄膜の厚みを1層当たり30nmとして、磁束密度に換算せよ。

 

3.3        ファラデー効果測定のまとめ

(1)磁界と電流の関係と偏光の回転角と検出器の出力電圧の関係をグラフに書け。

(2)ヒステリシスの測定で得られた電流値と電圧値を(1)で作成したグラフを用いてファラデー回転角と磁界に換算し、グラフを書け。

(3)得られたファラデー回転のヒステリシスをVSMで得られた磁化ヒステリシス曲線と比較し考察せよ。

(4)青色LEDについて調べてみよう。

(5)偏光子の仕組みを調べてみよう。

(6)MOディスクの原理を調べてみよう。

 

3.4          注意:著作権に配慮しよう

レポートに他人の著作物や本の図などを引用するときは、文や図の説明箇所に番号(あるいは *などの印)を付け、脚注または文末に、著者:本の名前、発行所、発行年、ページなどを書いておいて下さい。

たとえば、文中では・・・MOディスクの原理1)Pt/Co人工格子の磁気光学効果2)・・のように番号を上付き文字で示し、文末に

1) 佐藤勝昭:光と磁気(改訂版)、朝倉書店、2001p.159.

2) K. Sato, H. Hongu and H. Ikekame: Jpn. J. Appl. Phys. 31 (1992) 3603.

のようにまとめて示すのが、日本物理学会や応用物理学会のやり方になっています。

InternetWeb siteから引用した場合も、URLを記し、いつ閲覧したのか(Webはしばしば内容が変更されます)を書いておくこと。丸写しは避け、なるべく自分の言葉で書くようにして下さい。

 

 

 

注および参考文献

 

1. 磁化:磁化というのはmagnetizationの和訳で「磁気を帯びること、または、帯びた磁気」という意味である。物質に磁界を加えたとき、物質の表面に磁極が生じ、一時的に磁石のようになるが、そのとき物質が磁化されたという。「磁化M」というときのMの大きさは、全磁気モーメントのベクトル和の単位体積あたりの値で表す。[磁気モーメントの単位はWb×mなので、磁化の単位は、体積で割ってWb/m2となる。]

2. 磁気ヒステリシス現象は、強磁性体の磁化状態が磁区と呼ばれる領域に分かれていることから生じる。

3 磁性ガーネットというのは、結晶構造として立方晶のガーネット構造をもつ磁性体の総称。化学式はA3B5O12で、A原子は3価の希土類で、酸素の正12面体で囲まれている。Bサイトは3価の金属で、磁性ガーネットではFe()である。Feは、酸素イオンの八面体または四面体で囲まれている。結晶構造は立方晶系で、磁気的にはフェリ磁性体である。ビスマス・ガリウム置換イットリウム鉄ガーネット (Y1-xBix)3(Fe1-yGax)O12

4 光アイソレータ:光ファイバ通信において、ファイバの分岐や光素子からの戻りビームが送信用光源の半導体レーザに入射すると雑音を生じるため、戻りビームをカットするために挿入する素子。偏光方向が互いに45°異なる2つの偏光子でファラデー回転素子をはさむ構造になっている。

5有機金属化合物とは、アルキル基、アリール基など炭化水素基と金属原子との結合した化合物のことである。

6 スピンコート法は遠心力を用いて液体を薄く引き延ばし塗布する方法で、半導体集積回路の作製プロセスにおいて、フォトレジストを均一に塗布するために用いられている。

7 基板(substrate)とは、薄膜を堆積するための土台となる板状の物質のことである。この実験では、ガラス板を基板として用いるが、結晶方位のそろった薄膜を得るには、単結晶の基板を用いる。

8 この実験に使う有機金属化合物としては、YFeBiGaとオクチル酸、カブリル酸、デカン酸、ナフテン酸などの有機酸との化合物を用いているが、具体的な化合物名は特許の関係で明らかにされていない。

9 炭化水素系の溶媒。ここでは、テレピン油、酢酸ブチルなど、有機金属化合物を溶かし込みやすい液体化学物質を指す。

11 近桂一郎・安岡弘志編「磁気測定I」、丸善、2000p.66

10 佐藤勝昭著「光と磁気(改訂版)」、朝倉書店、2001p.11